snac's memo

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村田蓮爾氏のライブドローイングが圧倒的だった話

村田蓮爾×Third Echoes×mebae ライブドローイング・トークショーに行ってきた。

一ヶ月ほど前にmebae氏のTweetで知ったのがきっかけだ。

ライブドローイングを実際に見たことがなかったので興味本位で申し込んでみたところ、見事当選し観覧のチャンスを得たという訳である。

とんでもなく暑い日差しを浴びながら、現地に向かった。space caimanというところで、1FはBarスペース、B1Fがライブスペースだった。1Fでピーチティーを頂きつつ待つ。

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ほどなくしてライブスペースが開かれ、階段を降りた。
そこで本編である御三方、正確には4名のショーが執り行われた。

村田蓮爾氏、独自で完成度の高い世界観を描くベテランの40代イラストレーター。
mebae氏、チョイエロでポップなイラストを描かれる僕の好きなイラストレーターだ。30代。
THIRD ECHOES氏は3名からなるユニットで、素材を提供するもの、イラストを描くもの、ロゴを描くものと役割を分担してひとつの作品を仕上げる集団だそうだ。20代。

そこでテーマに沿ってイラストが描かれた。
それがコチラである。

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左から村田蓮爾氏、mebae氏、THIRD ECHOES氏である。
これらのイラストをご覧になって何を感じられるだろうか。


結論から言おう。
村田氏の作品が圧倒的だ。
芸術に順位をつけることは間違っているだろうが、
生き生きとした少女の表情、訴求力、そして「ライブ感」が何より素晴らしかったのである。クオリティ、スピード、そして一番テーマに沿っていて、それが圧倒的であると感じたのだ。
今回のテーマというのは、

【アーミー・女の子】

であった。
各々の作品がどう見えるだろうか。
自分の世界観を出しつつ、一番テーマに即しているのは村田氏の作品であるように僕には思える。
いささか自分勝手であることを承知で、分析したい。

 

まず構図に関し、村田氏のものは非常にオーソドックスだ。
一方mebae氏は最近ハマッていらっしゃる複数人書き込むタイプ。
THIRD ECHOES氏は会場入りする前に決めていたという、とあるアーティストのパロディ的構図。三者三様でどれも素晴らしいが、アーミー感が一発で伝わるのは村田氏の少女のイラストである。僕は普段仕事でデザインをしているため、どんなものがより人に伝わるものか常に考えてしまうのだが、村田氏のイラストにはわかりやすさがある。小物の選び方に関しても「手榴弾」これほどカジュアルに可愛らしくアーミー感を出せるアイテムはないだろう。

mebae氏の作品には彼らしいキッチュなエロスと躍動感が溢れている。
THIRD ECHOES氏の作品にはオシャレさがある。
だけど、その分アーミーさからは遠ざかっているのである。
この自分の色の出し方とテーマへの沿い方が、流石だなぁと感じた。

加えて、この結果だけ見ると分からないだろうが、ものすごいスピードであった。

テーマが提示された後、腕組みをし暫く目をつぶって思案していた村田氏だが、その後一瞬でラフ画を書き上げた。THIRD ECHOE氏はあらかじめ構図を考案していたのもあり取り掛かりは一番早かったのだが、結局完成させるのは村田氏と同時であった。
mebae氏は二人が書き終わった後も関係なくずっと描いていた。(スクリーンに表示され続けていたので勉強にはなった)

ここで思ったのが、0→1のスピードよりも1→10のスピードの方が仕事において重要なのだ、ということをプロの仕事を見て強く感じた。
もちろん自分の色を出すことは大事だ。死活問題だ。
しかし、こういった時間制限がある中で十二分に自分の魅力を発揮できる方は中々いないのではないだろうか。経験に裏付いたスキルの高さを感じた。

ライブドローイング、正直皆さん描くことに集中して言葉少なめなイベントになるかと思ったが、司会の方が話を振って御三方の色々な考えが伺えた。とりわけmebae氏は饒舌に話される方で、会場も良い雰囲気であった。
初めて参加したが、今後も機会があれば是非見に行きたい。

今回のイベントはMITSHBOSHIという書籍の発売から始まったものなので、
購入してみた。

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 めっちゃエエ…
特にmebae氏の長尺絵巻物的イラストはスゴイの一言に尽きる。
どれだけ技術が進歩しようと、絵の凄さは変わらない気がする。