snac's memo

Hello! snacのブログです。

いいデザイナーは、見ためのよさから考えない

会社の人に本を貸してもらった。
その人はデザイナーではないのだが、プログラミングやUI/UXに関して知見のある方だ。色んな事に対し、考えも深い。
そんな人が駆け出しデザイナーである僕に読んでみて、ということなので拝読してみた訳だが、非常に良い本であった。
とにかく読みやすい。
著者である有馬氏の言いたい事が整理されており、デザイナーにありがちな功績自慢の文体でもない。色んな角度から「デザインする」ことに関してさらり、と書かれておりとても好印象だ。
こういう“品の良い”プロダクトはモノ・コトを問わず大好きである。
上品なのではなくて、品が良い。
清潔、といってもいいだろう。
読んでいて清々しい気持ちになる。
 
ネタバレになってしまうけど、
良いなぁ、と思った事例を本文からひとつ。
 
青山学院大学経営学経営学科のパンフレット制作にあたり、学生の鞄に入りやすいようにと、あえてメジャーなA4サイズではなく20cm四方の正方形というフォーマットを取ったのだ。表紙には印象が固くならないように穴を開けて見返しの強い色が覗かせたり、学生にヒアリングしてパンフレットに関する体験を調べたりと、デザインやそれ以外にも入念に調査を行っている。
こういう良いものを作るために多角的に詰めていく様は素晴らしい。
他にも著者自身の経験によって語られるデザイン感は興味深く惹き込まれた。
 

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デザインとは対象に伝えるための道具であり、誰でも日々行っていることだ。それを磨くことは決して才能ではない。少しの気付きであり、ちょっとした工夫だったりする。
分かってはいるつもりだったが、つもりだけだったかも。
もっとアンテナを貼って面白いモノを作っていこう。
 
デザイナーでない方が読んでも面白いと思うので、ぜひぜひ。